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「守ってあげられなくてごめん」

近所の公園。

卒業式、終業式を終え、無邪気にはしゃぐ子供たちの姿。

笑顔で見守る両親の眼差し。

ごく当たり前の光景を見て微笑ましくなった時、

ふと今朝のネットニュースで見たあの両親の姿が目に浮かんだ。

 

今月、高校を卒業するはずだった知華(ともか)さん。

作業療法士を目指して、母親と専門学校のオープンキャンパスを巡った。

韓流スターが大好きで、嫌なことを「嫌」とはっきり言うのは苦手だった。

画像投稿サイト「インスタグラム」の動画がいじめ自殺の引き金となった。

自殺を図る前日、知華さんが男子生徒と映っていたインスタグラムの動画がアップされ、

複数の同級生から「別の生徒とつきあっているのにだめじゃない」、「死ねばいい」、「視界から消えてほしい」と言われた。

「とても苦しかった」と遺書を残した。

 

両親はこれまできょうだいがいるため顔や名前を伏せてきたが、

今年2月に卒業アルバムに知華さんの写真が一枚も載っていないことが分かった。

まるで知華さんの死をなかったことにされているかのように見えた。

「知ちゃんが生きていた証しを知ってほしい」

悩んだ末、勇気を持って公開を決めた。

父親は記者からの問いかけに、

「一緒にいられなくてごめん。守ってあげられなくてごめん」

言葉少なく泣き崩れた。

目の前に置かれた知華さんの写真。

あまりにも笑顔で、ピースサインで、僕を見ている気がして、彼と同じ気持ちになった。

 

守ってあげられなくてごめん・・・

 

美しい花のような心を持ってほしい、幸せになってほしい、

願いを込めた知華さんの名前を僕は忘れない。